

子どもたちに必要なこと
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「人間としてよりよく生きる」ことを目標にした幼児教育には何が必要なのでしょうか?
私達は、"人間としてよりよく生きる"ことを教育目標にして、
自然とたわむれたり、芸術表現活動をしたりすることを最優先にしています。
それらを無視して、
しつけや教養だけで教育が成り立つかというと、そうじゃない。
やまなみこども園はそのことを土台にしているんですね。
e-girlメンバーのerinaちゃんがめでたく妊娠されました。
彼女は心がとっても繊細で勉強家なので、きっとよいお母さんになるでしょう。
出産を機にe-girlは退社し、子育てに専念したいというerinaちゃん。
そんなerinaちゃんのために、今日は、やまなみこども園の園長、山並先生に教育について一緒にお話を伺ってきました。
Intervew / やまなみこども園園長
山並道枝
1947年熊本市生まれ。1976年「やまなみこども園」開園。学習会や保育現場での多様な実践を試みながら、次世代を担う保育士の育成にも取り組む。3人の子供(長男38歳、長女38歳、二女34歳)はそれぞれ独立。長女は中学校の音楽教諭。長男と二女は同園の保育士として動務。熊本市在住。
やまなみこども園
URL:http://www1.ocn.ne.jp/~kodomoen/
住所:熊本県熊本市広木町10-23
電話番号:096-369-1866
まず、どうして山並先生なのかと申しますと、実際に自分の子どもをやまなみこども園にあずけて、他とずいぶん違うなぁ~と感じているからです。
長女はやまなみこども園に入る前は、他の託児所にあずけていましたので、その頃とは子どもの顔つきや無邪気さがまったく違います。
一体、やまなみこども園は他と何が違うのでしょうか?
そうですね、私どもと同じような教育をやっておられる方は他にもたくさんいらっしゃいますが、一般的には、子どもを良い学校に行かせるとか、大きな会社に入れることを教育目標にして、画一的なしつけをしたり、教養したりすることを最優先にする園が大多数を占めていますよね。
ですが、私達は、そんなことよりも"人間としてよりよく生きる"ことを教育目標にして、自然とたわむれたり、芸術表現活動をしたりすることを最優先にしているんですね。
自然とたわむれることと芸術表現活動をどうして最優先にするんですか?
自然とたわむれることは、人間が一番だという傲慢な気持ちを持たずに、自然や自分の力の及ばないもの、人智の及ばないものに対する畏敬の念を持って欲しいと思っているからです。そういう畏敬の念は教育の中ではとっても大事だと思っているんです。
人間が一番だという傲慢な気持ちが今の世の中をおかしくしていると私は思っています。
芸術表現活動の方は?
芸術は心を育てる生産活動だからです。
やまなみこども園はしょっちゅう発表会をされていますよね?
そうなんです。芸術は見たり聞いたりするだけではなくて、自分も表現者としてあった方が良いと思っているんですね。
そのこともすごく大事です。
歌い踊る暮らしは人間にとっては基本です。

芸術として絵を描くことはなんとなく分かるんですけど、どうして歌や踊りも大事なんですか?
スキップとか嬉しくなったらしたくなるでしょ?
それは嬉しいという感情を身体が表現するんですよ。
逆にがっかりしたり苦しくなったりしたら身体が前かがみになって下向きになりますね。
嬉しい時は上に向かってほら、「わぁ~嬉しい♪」って感じになるじゃないですか。
そういう風に身体はね、自然に表現するんですよ。
人間の喜びや悲しみなんかの感情を表現することが"歌う"ってことです。
歌という語源は"訴う(うったう)"なんです。歌は訴える。和歌も詠うのは"訴える"なんですね。
何を訴えるんですか?
嬉しい、悲しい、楽しいという人間の喜怒哀楽の感情を訴えるんです。
その感情を素直に表現する方法が歌や踊りであり芸術なんです。
なるほど!
だったら感情を素直に身体で表現することは、心と身体が繋がっている状態でもあるということになりますか?
そうなんです!
心と身体を繋げることは人間の生き方にかなっているし、それが人間本来の喜びでもあるわけです。
人間としてよりよく生きるというね!
ここを無視して、しつけや教養だけで教育が成り立つかというと、そうじゃない。
やまなみこども園はそのことを土台にしているんですね。
つまり、教育というのは真理の探究であり芸術活動であるということです。
よく、教育というのは生きる力を育てるというでしょ?
生きる力って元々あるんですよ。
だって、赤ちゃんは教えなくてもおっぱいを吸うし、自分に身の危険が迫った時は「ぎゃーぎゃー」泣くし、それが生きる力じゃないですか。
生きる力というのはないと生きていけないから、生きる力というのは元々あるんですよ。
だから、教育の中で生きる力を育てるというのはおかしい。
『人間としてよりよく生きる』ということを教育目標にしなければならないと、私は思うんですね。
大人の僕達にも芸術表現活動は必要だなぁ~
そう。
働くばっかりではつまらないですよ。
宮沢賢治はおっしゃっています。
農民として田畑を耕して米や食料を生産し、そして歌い、踊るということがね、両方とも人間の暮らしには必要なんだってね。
僕は子どもの頃、鼻歌をよく歌っていたんですが、大きくなるにつれて鼻歌を歌うとちゃかされたり、馬鹿にされたりすることがあってよくないことと思っていたのですが、鼻歌も喜びを素直に表現するものとしては、一つの芸術表現なんですね。
そうかぁ~。いい学びになったなぁ~。
親としても、子ども達が歌を口ずさんだり、ぴょんぴょん跳ねたりしているのを邪魔しちゃいけませんね。
ちゃかすのはもってのほかだ!
そうです。それは子ども達の心が育っている証拠ですから、邪魔せず見守ってあげてくださいね。
わかりました。山並先生、今日はどうもありがとうございました。

(2010.3.1 文:ワッキー)

